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星を売る店

小林菫子の短歌や物語を置いています。

星を売る店

短歌

夜と海は同じだからと級友は裸の足でゆらゆら歩く

貝を拾う後ろ姿を追い越して貴方に思想犯と呼ばれる

灯台の淋しさで手に触れる子が政治のことは止めようと笑む

黙ってと云うとき奪われる銃と押し付けられる白い花束

足跡が付いては消える水際で架空の国の正義を思う

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すみれこさんは秋分の日、カテドラルという名前のアンティークショップで百年後のことを考えていた話をしてください。
すみれこさんは大体のことがうまくいっていた日、20年前のゲーム機のある散らかった部屋で窮屈な服を着ていた話をしてください。
すみれこさんは雨音で目が覚めた4月の日曜の昼前、植樹された木の傍で猫派か犬派で仲たがいする話をしてください。
秘書室で寝る。ちいさな花ばかり。
すみれこさんはスケートに行く約束が反故になった日、消えない影のある白い塀の前で握られた手が暖かくて気持ち悪かった話をしてください。

★ ★ ★ ♥

小林菫子

魚座。2021年、現代歌人協会主催の全国短歌大会で全国短歌大会賞を受賞。

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