何処でも生きられない

姉が先に籠城してしまったので私は今朝も満員電車に乗って都内の女子校に通う振りをしながら喫茶店でケーキを食べる。最初は戸惑っていた店主も本やら新聞やらを読んで何かに納得したらしくて誕生日まで通ってくれたら珈琲券を上げるよなんて嘘か本当か分からないことを云う。どうやら紅茶にも使えるらしいので頂けるものならば欲しいけれど。清潔なテーブルの上で読書したり勉強したりする私は幸福で何も困っていないように見えるだろう。死ぬことを考えるくらいには恵まれていると級友の一人が自虐していたけれど私は無力感と罪悪感が酷くて制服をじろじろと見る男の人に笑い掛けたくなる。現実は砂糖や硝子や綺麗なものでできていないらしい。そう云えばこの人は男だろうか。女だろうか。店主の方を見ると手本のような笑顔を向けられて少なくとも大人だと本に視線を戻す。南極の天気を調べた時にこんな所にも人は居るのかしらと変な気持になったことを思い出す。

星を売る店をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む