姉とは一回りも歳が離れていて随分と可愛がられていたから両親が不在の家で育ったのに家事が全くできなくて良く驚かれる。姉が生理の時には寿司を食べていたことを記憶している。小学生の私は事情を分からないままこのまま姉が死んだらということまで想像したのだけれど二人で上等な夕飯を食べている内ににこにこしていた。いくら。ねぎとろ。えんがわ。呟きながら食べる私にこれは何なんて姉が尋ねたりする。お姉ちゃんは何も知らないねえと云うと姉もにこにこする。だから私は今でも料理を含めて家事ができなくて寿司は笑顔を見せて良い人としか食べない。ということを貴方に話すと長い話ねえと嘆息される。文庫を開いたまま私の弁解を聞いていた貴方はでも何時もの作り話でしょうと呆れたように訊くので勿論と頷いて笑う。昼の喫茶店は光と喧騒に満ちている。