猫を飼わなければ失くさない

都市開発で新しくできた商店街に行く。出不精な貴方にケーキを買ってあげるからとか手を繋ぐからとか今日も可愛い服だねとか声を掛けて漸く家を出たけれど今は上機嫌に私の手を引いていて良く分からない。黒い服ばかり売っている服屋で人形のように着せ替えられたかと思ったら昭和の雰囲気を模した喫茶店に連れ込まれる。可愛い可愛いと月をモチーフにしたパフェでなくそれを食べる私を映すスマートフォンは貴方の求愛行動で消してねと云わなくても写真の一枚も残っていないと分かっている。喪失と所有に臆病な貴方の連絡先に私の名前は未だ登録されていなくて法律が変わっても貴方は私を恋人と呼ばないだろう。

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