貴方と暮らしてみて貴方の主食がアイスクリームだと知った。冷凍庫にはバニラやチョコレートから南極の味まで揃っていて一つでも欠けるとアイスクリームとメッセージが来る。買いに行けということだ。いっそうアイスクリーム用の冷凍庫を買ったら良いのではと思いながら深夜にコンビニに行く。ブラウスだけで寒くも暑くもない空気は金木犀で偶に甘い。顔馴染の猫にこっそりと餌を遣る。今夜は食べてくれない。毎日のように見ている看板の光にほっとしながら店内の明るさに入る。貴方は酷い偏食でクリームパンを食べ続けたかと思ったらカップラーメンしか食べなくなっている。さぞ生き辛いだろうと塩味のアイスクリームをレジに持って行く。にこりともしない店員は先程の猫に少し似ていて猫缶を買ったら誰かに怒られるかなと考える。貴方と暮らしてみて貴方が本当は酷く臆病だと知った。コンビニの袋を見せると女の子が夜に出歩かないと不機嫌に告げられる。でも貴方も夜行性の少女だったから小説家なんて変な仕事をしているのだろうと思うと猫缶は買っても良い気がしてごめんねと抱き付こうとして猫のように逃げられる。