双晶

双子の姉を亡くした私に双晶という名が与えられたことは運命だろうか。皮肉だろうか。黒い制服は喪服のようで鏡の前で裾を広げて笑ってしまった。もし貴方も生きていたら私達は何と呼ばれたのだろう。まさか同じ名前を付けられることは無いだろうけれど。

第一学年を表す装飾を一つ一つ解いて制服から私服に着替える。廊下に出ると私服が真っ白なことを揶揄う級友に永遠の花嫁なものでとにこにこと返す。大抵は冗談と思っておめでとうなんて返す子ばかりだけれどそうなのと真面目な顔で返す子も居た。どうして双晶なんて名前を付けられたのだろう。偶に叫びたいほど苛々する。

図書室に幽霊が居ると聞いた時に貴方だと確かに思った。放課後に毎日のように貴方の好みそうな書架の前に立つけれど当然ながら幽霊なんて居ない。笑えないほど少女趣味の怪談だ。それでも書店に行った私を追って帰って来なかった貴方は此処に居るような気がして通い続ける。そうでなければ双晶なんて呼ばれたりしない。

宝石の名前で呼ばれる時に私は貴方と二人だったことを思い出す。誰もが私達を同じように扱った。私達は私と貴方でなく常に私達だった。双晶と呼ばれる度に幻肢痛のようなものを感じるけれど他の名前で呼ばれるよりずっと良かった。私は微笑んで振り返る。

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