お守り

幽霊になりたいとか安全のために死にたいとか云う君を駅の喫茶店に連れて行ってホットココアを飲ませる。不安と恐怖で壊れ掛けている君は半ば泣きながらマグカップに口を付けている。手を握ってもイヤホンは外せないらしくて何年か掛けて作成した洋楽のプレイリストを聴いている。私は。君を怯えさせる全てを焼き払いたいけれどライターを扱ったことも無い。ナイフもカッターも持てないから冷凍庫には均等に切られた野菜や細切れの肉が入っている。そんなことを考えているとパスタと云い残して君が席を立つ。君の家庭環境を考えるとこれほど甘えるようになったことは人類が月を住居にするような進歩でそのことが酷く淋しい。

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