祖母が亡くなったと云って貴方は別人のように食べるようになった。ハンバーガー。チーズバーガー。フライドポテト。ナゲット。パンケーキ。コーラ。メロンソーダ。食べるというか呑み込むというか。嘔吐こそしなかったものの明らかに過食だった。食べていると安心すると云う貴方の顔に傷は無い。服を捲って足の裏まで探しても体に傷は無いだろう。そう。痕跡が顔や体に無いのだとしても怯えている人を見ると実家を思い出す。恐怖と安堵。それから愛着だろうか。家を出ても同じような人を見付けて同じような関係を繰り返すなんて余りに陳腐な物語だ。でも私より少し若いだけで貴方を全面的に肯定したくなる。太っても猫のように貴方は可愛い。垂れ下がる癖毛に手を伸ばして引っ張ると困った顔をされる。どうしたら泣いてくれるだろう。